ユニバーサルフィールドツアー商品化
に向けたフィールド実習②
/ウインターシーズン
養成するUFCのチカラ:専門知識・コミュニケーション力
令和元年度講座実施日:2019年12月23日
ウインターシーズンにおけるユニバーサルフィールドツアーの商品化を想定し、雪上専用機材の運用方法を体験することで、障害当事者とその家族に必要な配慮や安全対策について、またツアー造成に必要な知識や技能を身につけます。
理論・実践講習
山岳観光資源を活用するための専用機材取扱の安全講習と取扱実習
障害当事者とその家族に対する配慮について
稲治 大介氏
株式会社スマイルリゾート 障がい者スキースクールネージュ校長
ユニバーサルツアーの利用者でもある、特別支援学校を対象とした、学習旅行ニーズに関する調査では、学習旅行の行き先を決定する際に注目する点や、旅行先の施設やスタッフへ期待することについて、以下のような項目が示されています。
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旅行先の決定には、宿泊先や観光先等の障がい者への対応質を重視する
物理的な環境整備の充実へのニーズに加えて、
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障害そのものや、旅行者に対する理解と対応についてのスタッフ教育の実施
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選択可能な豊富な教育プログラムの用意
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プログラムや対応について一緒に考えてくれるゆとりや相談しやすい雰囲気
―特別支援学校等の修学旅行など宿泊行事に関するアンケート調査、国際障害者交流センター調査(2017)より―
現在、観光施設において、宿泊先やレストラン、トイレなどの、バリアフリー化・ユニバーサル化が実施されつつあるものの、『体験内容や学習プログラムのユニバーサル化』は十分に行われておらず、障害のある子どもや旅行前に怪我をした子ども、運動が苦手な子どもは、レストハウスから見学をする。友だちと離れて別プログラムを実施する。もしくは学校で留守番をしている。ということも少なくありません。
よって、今回の講座では、ウインターシーズンプログラムのユニバーサルフィールド化を体感することで、ツアー造成に必要な視点を得ることを目指します。
車椅子を利用する人のチェアスキーやパイロットと一緒に滑るデュアルスキー、視覚障害のある人のスキーや、手脚に障害があるが立って滑ることができる人のスキーについて、実際に使用する道具や、ガイド方法に触れながら、理論と実践を交えた講習を行いました。
また、それぞれの障害の状態や、その人の運動能力、運動への嗜好、天候やスキー場の状態などによって様々な配慮や情報提供が必要であり、障害のある人に対する安全対策についてもあわせて学びました。
視覚障害のある人への音による情報保証とサポート方法
アウトリガーを使った立位スキーと、重度な障害のある車椅子利用者にも対応可能な着座式スキー
本講座を通して、「その人の障害の状態や運動能力に応じて、用具を工夫することや、適切なプログラムが提供されることで、スキーを安全に楽しむことができる」とコンシェルジュ自身が知ることによって、障害のある人「その人一人」がスキーに挑戦できるようになるのではなく、家族や仲間とスキーを『一緒に楽しむ時間』につながっていきます。
ユニバーサルフィールド・コンシェルジュとは、
単に、ユニバーサルツーリズムの利用者のニーズや最新の情報を把握しツアーを造成するのではなく、造成したユニバーサルフィールドツアーによって、これまでなかった選択肢を提供し、本人や周囲が感じている限界を取り払い、その人たちの可能性を広げるきっかけを生み出す、重要な役割を持つ人材なのです。
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