ユニバーサルフィールドツアー商品化
に向けたフィールド実習①
/グリンシーズン
養成するUFCのチカラ:専門知識・発信力・コミュニケーション力
令和元年度講座実施日:2019年9月3~4日
車椅子ユーザーやその家族と関わることを通して、ユニバーサルフィールド・コンシェルジュとしての自身の力を試すとともに、ユニバーサルツーリズム推進に向けてさらに身につけるべき力や、所属地域・団体等の課題を把握することをねらいます。
講義1
ユニバーサルフィールド・戸隠モデル
田村 達彦氏
(一般社団法人戸隠観光協会 アドバンスコース受講生)
ユニバーサルツーリズムは、障がいのある人だけでなく、その家族や友人、また障がいのある人に限らず、すべての人が利用可能となる環境整備の上に成り立っています。
UFC養成講座では、この環境整備の方法について、「人の手」「専用の機材」「アイディア」の3つを活用し、山岳観光地域を合理的に利用可能とする『ユニバーサルフィールド』と言う新しい概念を採用し、特に、これまで物理的に自然の中に出かけることが難しいとされていた重度の車椅子利用者とその家族や友人の山岳観光地での旅行に焦点を当てて講座を進めます。
講義2
・専門機材取り扱いに関するガイドライン
・アウトドア用車いす取扱ライセンス講習
〜ユニバーサルツアーインストラクターUNITI(山岳・水上)〜
車椅子利用者とその家族や友人が自然の中での旅行やスポーツ実施を楽しむためには、様々な準備や配慮が必要になります。その一つが、アウトドア用の専用機材です。アウトドア対応型の車椅子はいくつかありますが、UFC養成講座では、HIPPOcampe(ヒッポキャンプ)という水陸両用のアウトドア用車椅子を使って講習を行います。
機材の取り扱いガイドラインや使用用具の確認をした後に、実際にガイドする側と搭乗者側を体験することで、車椅子の振動や傾きを最小限に押さえ、搭乗者の身体に負担がないように運用することや、ガイド側メンバー同士、また、旅行者家族とコミュニケーションを取ることの重要性に気づくことを目指します。
また、水上講習では、HIPPOcampeとスタンドアップパドル(サップ)を組み合わせたヒッポサップでの活動を行いながら、万が一落水した際の初動動作や、救助の方法についても役割を交代しながら実習をします。アクティビティの開発と提供は、『安全』の上に成り立っています。
ユニバーサルフィールドを活用したツアーやプログラム作りを行うコンシェルジュには、そこにどのような危険があるのか、それらをどのような体制をもって回避するのか、という知識も必要です。
コンシェルジュの役割の特性上、コンシェルジュ自身が実際に旅行者を自然の中でガイドすることはあまり多くありませんが、機材の取り扱いや安全に関する知識を身につけることで、提案可能なアクティビティやツアーの幅が広がり、旅行者がこれまでに体験したことがないような、魅力的な提案をすることができるようになります。
特別講義
写真のチカラ
前 康輔氏
写真家
造成したユニバーサルフィールドツアーや、地域の魅力を最大限に発信するために、どのようなことを伝えるのか、またどのように伝えるのか、その核となる『写真のチカラ』について、プロカメラマンの前康輔氏にお話しいただきました。
何をどのように撮りたいのか、地域の情報やアクティビティの内容などそもそもの情報が魅力的であるかどうかということに意識を向け、被写体の魅力が最大限に引出される距離感や構図を色々と試しながら数多く写真を撮ることが大切であると伝えられるとともに、撮影した後は、その写真を見返し伝えたかった色や雰囲気に近づけるため、色調整など、手間をかけることも重要であると教えていただきました。
各受講生は前氏の講義を踏まえ、様々な角度や距離から、被写体の受講生と対話をしながら写真を撮影し、講義受講前と受講後の撮影写真を比較し自他評価を行いました。
受講生A撮影 before
受講生A撮影 after
「写真には撮り手自身が映る」
これは、前氏が講座内でおっしゃったメッセージです。
UFC養成講座を通して、受講生が様々な知識や技術を学び、地域の持つ魅力とあわせながら、新たなユニバーサルフィールドツーリズムを展開していこうとアイディアを巡らせていくことで、その想いが、企画開発したツアーや、アクティビティに反映され、これから発信しようとする写真や文章に重なっていきます。また、コンシェルジュが中核となり地域全体でユニバーサルツーリズムを推進していくことで、地域の想いがそこにしっかりと重なることを目指します。
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