令和元年度「産学連携による観光産業の中核人材育成・強化事業」

UNIVERSAL FIELD CONCIERGE 養成講座

ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ

UNIVERSAL FIELD 

CONCIERGE

ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ

第6回ベーシック &

第5回アドバンス養成講座

ユニバーサルツーリズムの可能性と今後の展開

閉講式

UFCのチカラ:評価・改善力

令和元年度講座実施日:2020年2月5日

 ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ養成講座の趣旨および内容を振り返り、コンシェルジュとしての自己の成長と今後の課題を把握します。

―UFC養成講座が目指してきたものー

 

本講座が養成を進めてきた『ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ』とは、以下のことが実施できる人材です。

 

  • 障害の有無や年齢を問わず、バリアフリー環境の整備が困難な自然環境を活用し、車椅子利用者とその家族や友人がともに楽しめる環境を整備する。

  • 専門的な知識を持ってユニバーサルフィールドツアーに関わる旅行商品の企画、環境事業者へのアドバイスを行う。

  • 観光事業者と旅行者のコーディネートに対応できる。

 今後、講座修了生には、それぞれの地域での中核となり、「人の手」「専用機材」「アイディア」を活用しながら、山岳観光資源を合理的に活用する、『ユニバーサルフィールド』の概念のもと、障害のある人やその家族・友人、その他多くの関係者に対して、山岳観光地におけるユニバーサルツーリズムの新たな選択肢を提供する役割を担っていただきます。

 今回の講座では、各コース受講生がそれぞれに得た学びや、ご自身の課題について評価していただき、今後の取り組みについて、プレゼンテーションをしていただきました。受講生からの発表の一部をご紹介します。

―講座の学びと今後の課題:ベーシックコース受講生よりー

  • 講座を受けるまで、障害がある方はどうしても後ろ向きに(ネガティブに)なってしまうものだと思っていた自分がいた。今では、そう思っていた自分がいたことが恥ずかしいと思うようになった。その想いの変化は、講座の中で、実際に車椅子利用のお子さんとその家族と行動を共にしたことが大きく影響している。今後の課題は評価・改善力であるため、実践を通して磨いていきたい。

 

  • 講座を通して、障害者がある人への対応を強めていけば観光地のホスピタリティが良くなることに気が付いた。これからは仲間づくりをやっていき、同じ志をもったチームを作っていきたい。また、インバウンド対応にも力を入れていき、案内文を英語にするだけではなく、分かりやすい形で発信したい。障害者にも海外の方にも、だれにでも優しい形で進めていきたい。

 

  • 講座の受講を通して、障害者に対してのバリア、ハードルが下がった。まだ、自分の観光地にはバリアがたくさんあるが、意識が変わって、ユニバーサルフィールドという考え方を用いることでなんとかなると考えられるようになった。

 

  • 障害のある方でも楽しんでもらえるフィールドが無限にあるように感じられ、自分の視野が広がった。今後の課題としてはモデルコースを旅行者に合わせていくことで、夏山冬山それぞれ楽しんでもらえるようにしたい。また、自分が得意とする写真や動画作成を行い、地域の魅力を積極的に発信していきたい。

 

  • これまではどうしてもできない理由に目が向いていたが、それを解決するにはどうすればよいかを皆で考えられたことが良かった。講座により、自身が機材などの操作や乗り心地を体験することで、まずは自分が楽しめた。その楽しさを他の人にもぜひ進めたいと思うようになった。

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―講座の学びと今後の課題:アドバンスコース受講生よりー

  • 2年間の講座を通じて、これまで知らない新しい取り組みについて学ぶことができた。また、同じ会社の後輩がベーシックコースを受講し成長したことも大きい。アウトドア用車椅子を施設に導入したいなど、色々なことをやりたいと提案するようになった。このような若い人にも灯った火を絶やさずにつなげていきたい。

  • 高齢者福祉施設を利用する方々のツアーを所属地域でコーディネートをした時、「体が思うように動かないから来てはいけないね。」と高齢の旅行者に言わせてしまった。ユニバーサルフィールドの考え方によって誰もが施設を利用することができる。という視点だけでは十分ではなく、我々コンシェルジュは、これまで旅行を諦めていた方々の意識を、ユニバーサルフィールドを活用したツアーの提案によって変えられるように取り組んでいかなければならないと感じた。

  • この講座を通して、ほかの団体や企業の方たちとネットワークができたことが一番大きい。そのネットワークを活用して、障害のある方やその家族に行ける場所についても今後選択肢を増やしてあげられるようになった。自分としては、新しい情報を常に仕入れるようにしており、次は別の種類の着座式スキー機材を導入したい。専用機材のレパートリーを増やし、運用技術を受入側が高めていくことで来ていただける方の可能性をさらに広げていきたい。

  • アドバンスコースでの地域調整実践では、各施設への説明だけで特徴や重要性を理解してもらうことが難しかった。今年から観光協会でUTデスクを立ち上げた。開設からわずか、3か月であったが、福祉用具の貸し出しが17件行われ、思っていた以上に反響があることが分かった。一方で、現在戸隠にアウトドア用車いすのガイドができる人がいないことや、UTマップも課題があることに気が付いた。今後は、まわりの理解を得られるような啓もう活動もしていきたいと思う。

  • 自然の中で家族が一緒に楽しめるユニバーサルフィールドの考え方に挑戦しようとする、みなさんと出会えたことがとても大きい。どうしても何かをしようと思う障害のある人とその家族は、一歩踏み出せない人が多いので、そのような人たちの背中を押すことができればと思う。その一つとして、私自身が、車椅子利用当事者である視点から、様々な選択肢を提案できるような旅行会社を講座期間中に立ち上げた。今後は、長野県外からも多くのお客に来てもらえるようなツアー提案を行なっていきたい。

受講生のプレゼンテーションを受け、今後のユニバーサルフィールドを活用したユニバーサルツーリズム事業の推進と各地域の事業自走化に向けて、講師、講座関係者より受講生へメッセージが送られました。

―ユニバーサルフィールド・ツーリズムを地域で実施・推進していくためにー

英語では障害のある人についての表記を、「People with disability」としています。

日頃考えていることは、良いことも、そうでないことも、言葉に出さなくとも表情や態度に現れます。

”人“が前にある意味をよく捉え、「障害者」として関わるのではなく、「一人の人、一人の旅行者」として対応することを意識していただきたいと思います。

「心のバリア」という表現も、その言葉を使う人自身に、知識や経験がないために適切な対応が行われていないということであり、そのことを正しく分析しようとせず、「バリアがある」という表現で納めてしまっていないでしょうか。「心のバリア」という単語を使うことが、そこにバリアを作っているのではないかとも思いますが、みなさんいかがでしょうか。

 

今後、UFCのみなさんが主体となって事業を作っていく過程においては、次の3つの”シテン”を持って事業を組み立ててほしいと思います。

 

  1. 見る視点・・・その事業がどこを目指していて,どこを向いて進めていくのか。

  2. 始める始点・・・その事業を始める上でまず何から手を加えていけばよいのか。

  3. テコの支点・・・どこを動かせばその事業を組み立てられるのか。

―自走化に向けた大学と地域の取り組みについてー

 

加藤 彩乃

信州大学

 これまでの2年間の講座で、ユニバーサルフィールド・コンシェルジュに必要な力の養成「ベーシックコース」と、その力を活用し、所属地域のユニバーサルフィールド化や、ユニバーサルフィールドを活用した観光産業における事業展開を可能とする地域実践力の養成「アドバンスコース」の開発と実践に取り組んできました。

 バリアフリーを基準としない、『ユニバーサルフィールド』という新たな概念による、ユニバーサルツーリズム推進に向けた取り組みは、各種メディアへの取り上げや国土交通省主催のコンテストへの入賞など様々な方面から注目をいただく事業となりました。

 本講座修了生のみなさまが中核となり、さらなる推進に向けて各地で実践を重ねていただけることを大変嬉しく思います。今後大学では、推進ネットワークの確立や、教育・研究の面から受講生地域の観光事業の支援を行って参りたいと思います。次年度からは、UFC養成講座の自走化と、受け入れを行う人材不足の解消に向けてた以下のような新たな人材養成も行っていきたいと思います。

 

−想定する養成人材の資質−

 ユニバーサルーリズム及びユニバーサルフィールドを活用したインクルーシブ学習旅行に関する専門的な知識を有し、それに必要となる専門機材を高度な技術で運用し包括的な指導ができる者。また、実施プログラムの立案やその指導助言を行う者。

岡庭 亮氏

長野県観光誘客課 課長補佐

 長野県では、しあわせ信州創造プラン2.0における5カ年行動計画をもとに、平成30年度を「ユニバーサルツーリズム元年」として、信州型ユニバーサルツーリズム推進事業について様々な取り組みをして参りました。   

 次年度も人材育成や、県内外への情報発信などの事業計画を予定しており、コンシェルジュのみなさんが造成したモデルコースについても、県発信の情報サイトへの掲載や、旅行商談会での県内外での発信などを積極的に行えるよう体制を整えて参ります。
 ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ講座講座修了生のみなさんには、県と一緒に長野県の山岳観光資源を活用したユニバーサルツーリズムを盛り上げていただきたいと思います。

濱田 博州

信州大学学長

 本学の大学立地環境と、地域・社会貢献を得意とし、全国に誇る各種専門分野を持つ大学力を踏まえ、山岳観光資源を活用したユニバーサルツーリズムを推進する中核人材を育成するカリキュラム開発を2年間行なってきました。

 皆さんは講座の全過程を修了され、今後、実践の場で学びを生かしご活躍されることと思います。ぜひその学びや、ここでの同じ志を持つ仲間との出会いを生かし障害のある方やそのご家族を、この四季折々の姿を見せる豊かな自然を持つ信州へお誘いいただくような提案をしていただきたいと思います。また、ぜひ先輩コンシェルジュとしてこれからの受講生や、本学学生にもその取り組みや専門性について講義をしていただきたく思います。

各コース代表者への修了証授与

令和元年度UFC養成講座修了生

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お問い合わせ

信州大学ユニバーサルツーリズム推進人材育成事業 事務局

TEL:0263-37-2190

MAIL : ufc@shinshu-u.ac.jp

- 企画・監修 -

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令和元年度「産学連携による観光産業の中核人材育成・強化事業」 山岳観光資源を活かしたユニバーサルツーリズム推進人材育成事業

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